自分ではどうにかしたいって。
社会で頑張りたい、働きたいって思っているのだけど、ブランク長いと就職もできないし。
内心は、親にも申し訳ないと思っているのだけど。
自分の殻から抜け出たいのだけど、もがき苦しんでいるのはよくわかります。
今日は、私の友人が20年のニートの末、彼の好きな仕事に就け、見事に活躍している体験記を書こうと思います。
本当は、幼いころからの私の親友で、名前を明かさないとしても、あからさまに彼の人生をインターネットで公表するのは、抵抗がありました。
しかし、ニートで引きこもっていて、大変な思いでいる方のほんの少しでも力になればと思い書かせて頂きます。
実は、以前民間のカウンセリングの資格で、実際にニートの方の相談も受けたこともあり、大変さ、葛藤、不安などは、少なからず理解しているつもりです。
親御さんの悲痛な叫びも伺ったこともあります。
大変さは、百も承知です。
しかし前向きな気持ちがあれば、必ず時間が解決してくれます。
私の友人は、社会復帰まで20年かかりました。
その後、腕利きのいい鍼灸師として、人のために立っています。
同じような境遇の人に針治療を通じて、社会に貢献しています。
そんな彼の姿を読んでください。
彼の小学生時代と中学生時代
彼の父親は、地元でも有名な医者で、地域で有名な総合病院の院長でした。
彼のお母さんも上品な方で、まわりから羨ましがられる家庭に育ちました。
そんな上流の家庭で育った彼ですが、ざっくばらんにみんなと仲良くし、ひょうきんで人気者でした。
もちろん勉強も良く出来て、運動神経も素晴らしく、明るい性格で。
そんな彼が、その後ニートになるなんて、地元の友人は思ってもいませんでした。

高校時代に彼に悲劇が襲う
勉強も良くできる彼は、進学校に進学しました。
そこで初めて挫折を味わいました。
進学校は、勉強の優秀な子が集まります。
地元では、勉強のできた彼でも、進学校に入れば、勉強で苦しむわけです。
高校では、トップの成績ではなかったようです。
たまたま学校の帰りに会った私は、「将来は何になるの?」と聞いたことがありました。
すかさず医者という答えが返ってくると思っていた私ですが、返ってきた答えは、「何年かかっても医者になるよ。」という答えで、どんよりした表情で答えてくれたのを思い出します。
今思うと、実はその時にニートになる予兆があったようです。
進学校で勉強についていけずに、親の跡を継ぐ医者には慣れないと感じていたようです。
何しろ、地元では彼は、みな医者になるだろうと思われいる存在でしたので。
今思うと、不安な高校生活を送っていたのだろうなと思います。
その後、高校も休みがちになり、学校をさぼって映画に行ったり、何日も学校を休むようになりました。
その後、ニート生活20年間を送る
私たちは、高校を卒業し、ある者は大学に進学し、ある者は就職するという生活になりました。
彼は、高校はなんとか卒業したものの、その後、家に引きこもって、出てこないニートの生活になりました。
心配した私たちは、友人と彼の家に行き、様子を確認しに行きましたが、家の中からは出てこずに、友人である私たちさえも遠ざけるようになりました。
仲間内の誰かが、電話をし取れば話がつながるといった具合で、姿を現すということはありませんでした。
私は、うすうす医者に慣れなかった絶望感が彼を追い詰めているのだと感じました。
40歳も過ぎた同窓会で
高校を卒業し、20年以上たったある年の同窓会。
もうそれぞれの生活を歩み、みんなそれぞれに人生の年輪を感じられる40歳オーバー。
その年の同窓会に、彼が来たではありませんか。
みんなびっくりで。
その同窓会は、ワイワイと大いに盛り上がりました。
後日、私は彼と子供の頃、特に仲が良かったというのと、カウンセリングの仕事もしているとのことで、ニートを脱出したきっかけを話してくれました。
まず、なぜニートになったのか?
いま思うと、偉大な父親の跡を追いかけ、自分の実力のなさに気づいたときの絶望感。
まわりを巻き込んでの期待を裏切ってしまったことへの罪悪感。
それらが、彼に重くのしかかっていました。
それと外では、偉大な父親でも、家に帰ってからは疲れていて、話もろくにしてくれない父親に愛情を感じたことがなかったというではありませんか。
時間だけが10年、20年とたち、ある時、父親の杖をついて歩く姿を見て、これではダメだと反省し、母親に相談し、改心するので、昔から興味のあった鍼灸の学校に通いたいと打ち明けました。
お金には裕福な彼の家庭は、それを受け入れられ、彼は鍼灸師になることを決意し、かなり年下の生徒と一緒に勉強する毎日を送るようになりました。
元々外科医の息子なので、人体のことは飲み込みが早く、あれよあれよという間に鍼灸師の勉強を吸収し、成績優秀で卒業しました。

現在、腕利きのいい鍼灸師として
現在、彼は開業し、腕利きのいい鍼灸師として活躍しています。
なんでも、精神疾患の患者さん、同じ境遇のニートの人やうつ病の患者さんの気持ちがわかるらしく、こころを病んだ患者さんの腕利きのいい鍼灸師となっています。
彼を見ていると、人生に無駄がないんだと感じます。
また逆に勇気をもらえます。
誰しもにも好かれていて、成績もよかった幼少期から一転、高校では挫折をし、その後長い暗闇のトンネルの中に。
しかし、彼の個性を輝かせるのは、医者ではなかった。
鍼灸師であった。
それも、同じ境遇を経験したストレスを溜め込んで、疲れてしまった患者さんを癒す鍼灸師が彼の天分であった。
ニート20年の間は、すごくつらかっただろう。
でも、いつかなんかのきっかけで人は変わることもできる。
彼から教えられたのは、決してあきらめない。
必ずや人の役に立つ自分を見捨てないということだった。

まとめ
ニートになってしまった彼を見ていると、原因は親子関係にあると感じた。
親との間にある軋轢と葛藤。
これが、ニートになる原因ではないかと思う。
詳しくは、別の記事に書いています。
ぜひ、参考にして下さい。
ニートの原因は親との関係!対策は5つの順序で
彼は、親の期待に応えられなくてニートになり、親の杖をついた姿を見て、親に申し訳ないと感じて、本気でやりなおした。
ニートになる原因は親であり、社会復帰するきっかけも親であった。
親との愛の掛け違い、これが原因でしょう。
しかし、親は子の幸せといつも願っている。
そう思いたいし、そう感じたい。