私が住んでいる関西では、元旦に白味噌仕立てのお雑煮。
二日目は、おすましのお雑煮でした。
お正月の三が日に白味噌とおすましの両方のお雑煮を頂けるのは、お雑煮好きの私には嬉しいかぎりです。
関西の人間にとって、お雑煮でおすましをする地域は関東だけかと思っていました。
あっさりした味わいのおすましは、関東に受ける味と思っていたのですが、調べてみると関東以外でもお雑煮でおすましを食べる地域が結構ありました。
この地域は、絶対白味噌だろうなと思うところが、おすましだったというところも多かったです。
今日は、お雑煮でおすましの地域について、まとめてみました。
どの地域でどんなおすましを食べられているのでしょうか。
関東のおすまし
関東でのお雑煮には、鰹節等で出汁をとり、醤油・塩で淡く味付けをしたおすましが一般的です。
とてもシンプルで簡単に作れ、具材は、とり胸、小松菜、かまぼこ、大根を使います。
お餅は、四角い切り餅(角餅)が使われます。
ちなみに西日本は、丸餅が使われます。
関ケ原の合戦の地を境に東は切り餅、西は丸餅になっています。
理由は、
全国のお雑煮事情
神戸山手大学教授の奥村彪生先生が、作られた日本列島雑煮文化圏図という日本のお雑煮の文化が一目瞭然でわかる図があります。

この図を見ると、白味噌文化圏は関西と四国の半分で、後は小豆汁文化圏の島根、鳥取の北部と赤味噌文化圏の福井県<を除くとすべてすまし文化圏ですね。
ほとんどの都道府県でおすましが使われ、餅は関ケ原の合戦の地から東は角餅、西は丸餅になってますね。
イメージ的には、ラーメンでもこってり仕立ての豚骨が人気のある九州では、お雑煮にも白味噌かなと思っていたのですが、意外でした。
北海道と沖縄のお雑煮事情
日本列島雑煮文化圏図では、北海道と沖縄がありませんね。
北海道のお雑煮は、醤油味のすまし仕立てで、餅は角餅を使います。
具材は、鮭やいくらを使うことが多いそうです。
北海道ならではの具ですね。
沖縄では残念ながら、雑煮文化はないのですが、豚のモツ、内臓を煮た「中身汁」でお正月を祝っているそうです。
鰹節と豚と乾燥シイタケの出汁で、豚の内臓で栄養たっぷり。
食べた人の感想を聞くと、結構美味しいそうですよ。
九州のおすまし事情
九州には、特色のある雑煮の郷土料理があります。
・福岡の郷土料理に「博多雑煮」があります。
特徴としては、焼きあなごでとった出汁にブリを入れます。
具材は、かつお菜、かまぼこ、さといも、にんじん、大根、椎茸と具だくさんです。
かつお菜は、博多に古くから伝わる野菜です。
なぜ博多雑煮にブリが使われるかと言うと、「嫁さんぶりがいい」と年末に大きなブリを嫁の里にもっていく風習があり、お正月の縁起にもちなんでブリが入れられるようになったそうです。
・長崎県の郷土料理に「具雑煮」があります。
1637年の島原の乱の際、海や山からさまざまな具材を煮込んで作ったのが始まりと言われています。
鶏肉や魚、季節の野菜など10種類以上を入れる超具沢山の雑煮です。
具材は、鶏肉、大根、にんじん、里芋、れんこん、椎茸、ごぼう、高野豆腐、焼きアナゴ、白菜、かまぼこ、ゆずの皮、水菜といっぱいの具材を入れるのが一般的です。
・熊本の郷土料理に「するめ雑煮」があります。
雑煮に「するめ」を入れることで、すごく美味しい出汁がでます。
具材は、するめ(胴体)、里芋、ちくわ、ほうれん草、ごぼう、にんじんです。
・一部の熊本県では、お雑煮に納豆を入れる「納豆雑煮」があります。
食べ方もいろいろで、お雑煮と別皿に納豆で食べたり、お雑煮のお餅の上に納豆を乗せて食べる食べ方もあるそうです。
昔、熊本県を統治していた加藤清正が、戦の際、馬の背にあった大豆がそのまま発酵して納豆になり、それを食べると美味しかったことから、部下にもすすめ広まったと言われています。

さいごに
お正月に食べるお雑煮ですが、圧倒的におすましの地域が多かったですね。具材も各都道府県によって、違うのもお雑煮の特色ですね。
シンプルな具材の関東風から具だくさんの九州まで。
個人的には、あっさりした関東風が好きですが、皆さんはいかがでしょうか?
お正月にいろいろな都道府県の雑煮を作って食べてみてもいいですね。
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