おおきい まごいは おとうさん♪
この歌を聴くとなんだか微笑ましくなりますね。
子供のころ、親に歌ってもらった記憶のある方も多いと思います。
5月になると鯉のぼりが空を泳いでいる家庭には、子供がいるんだな。
お父さん、お母さんは、子供に鯉のぼりを何て教えたのかな、と気になりますね。
子供が成人した後にいい思い出になってもらえるように、お父さん、お母さんも一緒に鯉のぼりについて勉強していただければ、幸いです。
では、鯉のぼりの勉強を一緒にして参りましょう。
鯉のぼりの由来
時代は江戸時代、今とは違って身分によって人の位が決まっていました。
一番偉い人は、お侍さん いわゆる武士。
江戸時代は、いまとは違って子供は男の子が生まれると大喜びでした。
江戸時代のお侍さんの家では、男の子が生まれると玄関に馬印や幟(のぼり)を立てて飾りました。
これは、いまとは違って生まれても小さなうちに死んでしまう子供が多いことから、「この子を守ってください。」 という切実なるお願いと「男の子が生まれました。有難う御座います。」の感謝の気持ちを伝える風習でした。
当時は、武家社会だけの風習だったのですね。
今とは違って身分制度に縛られているので、武士が最高の時代、男の子が重宝されていたのですね。
しかししかし、これに不満を持っていたのは、商いをしている商人たちです。
身分制度、絶対の時代、身分は一番低いけどお金を持っている商人たちも、「なんで武士だけ子供を祝えるのか」とこれ見よがりにいろいろ考えました。
それがたどり着いたのが、中国の故事の竜になった鯉のお話です。
その滝を登り切った魚だけが竜になれると言い伝えられていました。
しかし、どの魚も滝を登り切れず、唯一、鯉だけが登り切り竜になったという故事のお話です。
どの時代でも、また当時の身分制度のある時代でも、親の子供に対する愛情は同じです。
江戸時代、商人が中国の故事から発展させた子供への願いがいまの鯉のぼりの始まりですね。
吹き流しについて
鯉のぼりの上の5色のものが吹き流しです。これには何の意味があるのだろう って思っていた方いませんか?

これは、まごい、ひごいを守る魔除けです。
実は、当時幼くして亡くなってしまう子供が本当に多くいたのです。
親としては考えたくないことですが。
子供の無事を祈って、「子供を脅かす悪いものから守って下さい。」という魔除けの意味が込められています。
元々は、戦国時代から戦が終わった後に、「もう災いが来ないように」と魔除けとして幟に立てられていたのです。
では、なぜ五色でしょうか?
青(緑)
赤
黄
白
黒(紫)
の五つの色が使われています。
これは古代中国の「五行説」に基づいています。
では、五行説とは何でしょうか?
五行説とは、すべてのものは、木・火・土・金・水という5つの元素から創られていて、五つの元素が助け合ったり、打ち消しあったりしながら、万物が生成している という思想です。
吹き流しの五色にも
赤⇒火
青⇒木
黄⇒地
白⇒金
黒⇒水
の意味があります。
吹き流しは、この五行説の五色をとって、子供に魔がやってきてもこの「万物を成す5つの元素を意味する5つの色が守ってくれる」と信じられていたのですね。
もうひとつ、生まれた子供に神様に早く気付いてほしい ことから目立つ五色の吹き流しが使われました。
当時、7才までに本当に多くの子がなくなってしまう時代ですから、早く空高くにいらっしゃる神様に我が子に気付いて守ってほしい、そして健やかに育ってほしいとのことから使われていたのですね。
まとめ
どの時代にも、子供に対する愛情は同じですね。今では、医学も発達し栄養状態もいいので幼くしてなくなることは少なくなりました。
昔の人が鯉のぼりに掛けた子供への思いは、今よりも重いものだったかも知れません。
本当に今を生きている私たちは恵まれていますね。
一度当時の時代にタイムスリップして、想像してみるのもいいかも知れません。
恵まれた世の中を生きていると、子供が元気でいる姿ですら当たり前になってしまいますからね。
元気で過ごしている子供を見る喜び、いまを生きている喜びを持って、鯉のぼりを上げましょう。
きっと天から神様が子供を守って健やかに育ててくれますよ♪