昭和50年ころの話で西暦でいうと1980年ころです。
その頃は、今のように市販の発酵マットという土もなく、山の腐葉土を取ってきてそれを水槽に入れて育てておりました。
落ち葉を細かくちぎってわんさか水槽に入れたのを覚えています。
まさかあの小さな丸い幼虫が共食いするなんて!
と思われている方も多いと思います。
結論から言うと、カブトムシの幼虫は共食いをします。
ですので、飼育する前に共食いをしないように飼育して上げることが大切です。
せっかく飼育するのですから、きちんと育てて成虫にしてあげたいものですね。
また子供がいる家庭でしたら、一緒に育てると子供とのいい思い出になますよ。
今日は、共食いするカブトムシの幼虫を共食いせぬように育てる方法について書いていきます。
飼育する楽しみを一緒に見ていきましょう。
私の失敗した飼育
大きな水槽にオスとメスのペアを飼って卵を産ませ、30匹から40匹ほどの幼虫を水槽の中にいれたままそのままにしていました。そのまま一か月放置してしまいました。
すると腐葉土がなくなり、糞だらけの中に幼虫が2、3匹埋もれていました。
びっくりしました。
腐葉土が糞に変わり、あれだけいた幼虫が2、3匹になってしまっているのですから。
これが私の大失敗例で、子供ながらにショックを受けましたね。
いろいろ調べてた結果
本当にショックでした。あれだけいた幼虫が、2、3匹になってしまっているのですから。子供ながらに胸が痛み、図鑑でカブトムシの幼虫の育て方を読み漁りました。
するとカブトムシの幼虫は、産卵から1か月くらいの2齢虫の時、餌である腐葉土が不足すると共食いすると書いているではありませんか!
水槽の中の土は、幼虫の糞だけになっていたので、激しい共食いをしたのでしょう。
かわいそうなことをしたものでした。

共食いを避けるために
その後、昆虫が好きな私は、もう共食いせぬよう単独飼育をしました。
単独飼育とは、一つの容器に一匹で飼育する方法です。
前回失敗したのでもう必死でした。
容器は、当時ペットボトルというものがまだなかった時代ですので、コーヒーの空き瓶を使いました。
近所のおばさんや友達に協力してもらい、コーヒーの空き瓶を10個集めて10匹飼育し残りの幼虫は山に放しました。
さて、コーヒーの空き瓶で単独飼育を始め、しばらくすると腐葉土が糞だらけになりましたが、コーヒーの空き瓶のいいところは、プラスチックの容器と違い土の状態がよく見えるので、糞が多くなってきたら山に腐葉土を取りに出かけ土を変えてあげました。
今のように発酵土というものが販売されてなかったので、山の木の根っこの肥えた土を堀ってきて使いました。
秋までは、土の状態を気にしてあげながら、たまに霧吹きで土を湿らせてあげました。
コーヒーの空き瓶は、外から幼虫の様子が見えるときもあるので飼育も楽しくできるところが良かったですね。
そうそうコーヒーの空き瓶の蓋は、空気口を開けてやってくださいね。
空気口がないと幼虫が、酸欠してしまいますので。

冬を迎えカブトムシの幼虫は冬眠に入りますので、外に置いておくと寒いので家の玄関において新聞紙に包んであげました。
冬眠になると土も食べないので、そのまま冬は放置しておきました。
そして春になると温かくなり、幼虫も冬眠から起きてまた土を食べ出しますので、土をまた変えて上げました。
黙々と土を食べる姿を見ると、早く大きくなれよって応援したくなります。
多頭飼育する場合
一つの容器に2匹以上育てることを多頭飼育といいます。多頭飼育する場合、共食いをしないように容器の大きさと幼虫の個数のバランスを考えてあげましょう。
容器は、市販の飼育ケースLサイズ(35cm×21cm×24cm)で5、6匹くらいが限界でしょう。

利点は、土をかえるときに一回ですむということと成虫になった時に、そのケースで成虫をそのまま飼育できることです。
今では、市販で発酵マットが販売されていますので、それを使いましょう。
使うまえにマットを太陽の光で天日干しすると、土の殺菌ができて虫がわかないので衛生的です。
私が飼育していたころは、発酵マットがまだ販売されていなく、山に腐葉土を取ってきて使っておりましたが、虫が湧いてブンブン飛んでいたのを覚えています。
不衛生ですので、腐葉土は発酵マットを使いましょう。
サナギになると
5月頃になるとサナギになります。サナギになると土を変えたり、容器を動かすのはやめましょう。
幼虫はサナギになるときに蛹室という部屋を作って、サナギの間中じっとしています。
この時に動かしたり、傷つけたりすると死んでしまうこともありますので、この時期は十分注意しましょう。
ここまで来ると成虫までもうすぐですよ。
しっかり観察していきましょう。
ちなみにコーヒーの瓶で単独飼育すると、サナギの様子も見ることもできるので安心です。

成虫になる
うまくいけば、6月から7月ごろには最後の脱皮を終え成虫のカブトムシの姿を見ることができます。感動です。
子供がいる家庭でしたら、この瞬間大喜びすることでしょう。
大人でも何回育てても感動するものです。
成虫になっても始めは動きませんが、心配しないで下さい。
餌を食べたり、動いたりするまで少し時間がかかりますが、それも成長の証としてじっと観察してあげてください。
数日で土の上に出てきますので、そうなると市販のゼリーを与えて下さい。
美味しそうに食べる姿を見ると本当にうれしくなりますよ。
幼虫から育てたからなおさらです。
昭和世代のお父さんの子どもの頃は、自分で作った砂糖水やスイカやトマトを与えていましたが、それでは栄養不足で短命になるため、今では市販のゼリーを使用してくださいね。

さいごに
カブトムシの幼虫から育てて無事成虫になると、本当にカブトムシが可愛らしく見えます。子供と一緒に育てるのも情操教育になり、いい思い出作りにも役立ることでしょう。
カブトムシは、その年で短い一生を終えますので最後までしっかり見守ってあげてくださいね。
カブトムシの飼育は、生命の尊さを感じさせてくれるものですよ。
・オオクワガタの幼虫期間の飼育は、意外と簡単!大きく育てる2つの秘訣
・ヒラタクワガタを飼育して繁殖させる方法!実は意外と簡単だった
・カブトムシの幼虫は病気に注意!特に黒点病には気を付けよう
・カブトムシの幼虫は大きく育てるのが大事!立派な成虫にする5つの秘策はコレ